宿がえの詩(やどがえのうた)
世界にひとつの8行40語の詩を、通りすがりの全員で編みつづける共有の詩。語は増えも減りもせず、できるのは「ある行から一語を抜き、別の行に挿す」引っ越しだけ。行は空にできないので、残り一語になった行の語は永久に凍る——語を守るには行を痩せさせるしかない。
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世界にひとつしかない詩があります。8行、全40語。「宿がえの詩」でできることは、その40語のうち一語を、いまいる行から抜いて別の行へ挿し直すことだけです。文字を打つ欄はどこにもありません。語は一語も足せず、一語も消せない。だからこの詩に起きるのは書き足しではなく、いつも同じ40語の住み替えです。あなたが動かした一語は、そのまま次に来た人が読む詩になります。
こんなときに使う
- ことば遊びをしたいけれど、ゼロから何か書くのは気が重いとき(語はもう置いてあります)
- 見知らぬ誰かと、同じ一枚をゆっくり作り変えていく感じを味わいたいとき
- 磁石詩や限定語彙のような、制約のある言葉あそびが好きなとき
- 自分の一手が消えずに残る場所を探しているとき
使い方
- 詩の中から動かしたい語をひとつ押します。選ばれた語は色が変わります。
- 自分の行以外に「切れ目」(点線の枠)が現れます。挿したい位置の切れ目を押します。
- 引っ越しが確定し、どの語がどの行からどの行へ動いたか、その語が通算で何度めの旅かが返ります。
- 選び直したいときは、選んだ語をもう一度押すと手放せます。
- 次の一手までは20秒あきます。
仕様と機能
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 詩の大きさ | 8行・全40語(未来永劫この数) |
| 一行に住める語 | 8語まで |
| 出せる手 | 24時間に30手 |
| 連投の間合い | 20秒 |
| 引っ越し帳 | 直近12件 |
| よく旅した語 | 上位5語を表示 |
掟は四つで、どれも数を数えれば決まります。①語は動かせるだけ、②一手につき一語をかならず別の行へ、③行を空にはできない、④一行は8語まで。三つめが効いていて、残り一語になった行の語は誰にも抜けないので、その場に永久に凍ります(画面では「錠」と出ます)。つまり、ある語をその位置に残したければ、その行をわざと痩せさせて一語にしてしまうしかない。守るために行を削る、という逆さまの戦略がここから出てきます。
抜く・出発した行の席番号を詰める・行き先の席をずらす・挿す・引っ越し帳に書く、までを一本のSQL文(CTE)に畳んであります。だから途中の半端な詩が誰かに見えることはありません。一行が9語になることは席番号が0〜7しかないことと UNIQUE (行, 席) が構造的に禁じ、席をずらす一瞬の重なりは制約を DEFERRABLE にして文の終わりにまとめて確かめさせています。行を空にしない掟のように「数を数えて決まる」ぶんは SERIALIZABLE が守り、同じ瞬間にぶつかった手は読み直して最大3回までやり直します。
作るときに決めたこと
語を40にしたのは、8行が5語ずつで始まって、それでも一行8語の上限まで余白が残る数だからです。全部で64席あるところに40語しかいないので、詰まって動かせなくなることがない。逆に語を増やすと席の奪い合いばかりになり、行を痩せさせるという選択が取りにくくなります。
「行を空にできない」は、この詩がいつまでも8行であるために要る掟ですが、副産物として凍った語が生まれます。最初はただの安全弁のつもりでしたが、試してみると「守りたい語があるなら、その行から他の語を追い出せばいい」という手が成立するのが面白く、これを表の遊び方として説明に書きました。ふつうは何かを守るために足すものですが、ここでは削ります。
文字入力を一切なくしたのは、荒らしの入り口を構造的に消すためでもあります。書けるものが最初の40語しかないので、誰が来ても詩は詩のままです。そのかわり自由度は低いので、20秒の間合いと1日30手で、一人が一気に詩を作り替えてしまわないようにしました。
注意点
- 詩は世界にひとつだけです。あなたの一手は取り消せず、他の人にもそのまま見えます。
- 名前は保存しません。端末に匿名の識別子だけを置いて、手数の上限に使っています。
- 錠のついた語(残り一語の行)は、その行に別の語が引っ越してくるまで動かせません。
- 語を新しく足すことはできません。思いついた言葉があっても、この40語で言うしかありません。