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プロダクト2026年9月12日

一画堂(いっかくどう)

見知らぬ人が一画ずつ足して、まだ世の中に無い一字を彫る共有の字。筆順そのものが掟で、起点は前の画より上や左に戻れない。12画で封じられ、最後の一画を置いた人が読みと意味を付けて辞書に納める。

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見知らぬ人が一画ずつ足して、まだ世の中に無い一字を彫っていく共有の字です。9×9の格子点を結ぶ直線を、一度に一画だけ置けます。消すことも動かすこともできません。12画に達するか、引ける画が尽きた時点でその字は封じられ、最後の一画を置いた人だけが読みと意味を付けて辞書に納めます。名づけを放棄すれば、その字は「名なしの字」として永久に残ります。

新しいのは、筆順そのものを不可逆な制約にしたところです。次の画の起点は、前の画の起点より上や左に戻れません。上から下へ、同じ高さなら左から右へ、筆は一方向にしか進まない。だから低いところから書き始めた瞬間、その字の上半分は永久に死にます。下を埋めたいなら高い起点から長い画を引き下ろすしかなく、自分の書きやすさと、次に来る人の書く余地が正面からぶつかります。

こんなときに使う

  • 顔も知らない誰かと、取り消しのきかない共同作業をしてみたいとき
  • 自分の一手が世界をどれだけ動かしたか、数字で見たいとき
  • 漢字がなぜあの形に落ち着いているのか、制約の側から考えてみたいとき
  • 三十秒だけ、まだ名前のない文字の辞書をめくりたいとき

使い方

  1. 盤の青い点が、いま書き始められるところです。まずそのひとつを押して起点を決めます。
  2. 起点が決まると、そこから引ける終点だけが青く残ります。押すと、その一画が入ります。
  3. 同じ点をもう一度押せば、起点を選び直せます。
  4. 一画置くたびに「この一画で引ける手が何通り増えた/減ったか、残り何通りか」が返ります。
  5. あなたの一画で字が封じられたら、読み(かな)と意味を書いて辞書に納めます。

仕様と機能

項目
9×9の格子点(0〜8)
画の向き横・縦・斜め45度の8方向のみ
盤に引ける画の総数1056通り
封じる画数12画
一人が同じ字に引ける画数4画まで
一日に引ける画数24時間で15画まで
連投の間合い20秒
読みかな1〜8字
意味1〜24字
辞書の表示数直近40字

画は必ず「筆順で前のほうの端」を起点として保存されます。どちらの端から押しても同じ一画になるので、向きの取り違えは起きません。掟は四つで、どれも数を数えれば決まります。八方向の直線であること、すでにある墨のどこかに触れていること(字はいつも一続きになります)、起点が前の画の起点より前に戻らないこと、そしてまったく同じ一画が二度入らないこと。触れているかどうかは端だけでなく、画が通る途中の格子点でも判定します。

同じ瞬間に何人もが筆を下ろしても、字が枝分かれすることはありません。何画目かは主キー (字, 画数) で直列化されるので、割り込まれた手は主キー衝突で必ず弾かれ、読み直してから掟をもう一度確かめて引き直します。つまり通った一画はすべて、引いた人が実際に見ていた字そのものに対して検査されています。まったく同じ一画が二度入らないことは UNIQUE (字, x1, y1, x2, y2) が、彫りかけの字がいつも一つだけであることは部分ユニーク索引が守ります。名づけも同じで、「封じ済み・最後の一画を置いた人・まだ無名」の三つを満たす行だけを狙う UPDATE なので、二度目は0行更新になって弾かれます。

作るときに決めたこと

12画という区切りは、常用漢字でいちばん多い画数帯に合わせています。ただし実際には12画まで届く字のほうが少なく、掟の三つ目(筆順)に素直にしたがって書くと、たいてい途中で置ける画が尽きます。それでよいことにしました。手詰まりで封じられた四画や五画の字も、12画まで生き延びた字と同じ重さで辞書に並びます。むしろ「なぜここで終わったのか」が形に残るほうが面白いと思ったからです。

一人が同じ字に引けるのを4画までにしたのは、12画を独りでは彫れないようにするためです。最低でも三人の手が要る。けれど一画しか引けないことにすると、人の少ない時間帯に字がまったく進まなくなります。4画は「独占はできないが、流れは作れる」ちょうどの数字として選びました。

置ける画の残り数をその場で返すのは、自分の一手の重さを見せたかったからです。作ってから気づいたのですが、この数は減る一方ではありません。盤ははじめ1056通りですが、一画目を引いた瞬間に94通りまで落ち、そこから墨を足していくと触れられる先が増えて数百通りまで戻ります。増やしているのは墨、減らしているのは起点の下降で、二つが綱引きをしている。手軽に書きやすい低い位置に起点を置けば、その綱引きは一気に負けます。その数字を見てから次の人のことを考えるかどうかは、その人にまかせています。

注意点

  • 引いた一画は取り消せません。起点を選んだ段階なら押し直せますが、終点を押した瞬間に確定します。
  • 名づけは一度きりで、あとから直せません。付けずに去った字は「名なしの字」のまま残ります。
  • 端末IDはブラウザの中だけに持ち、名前は保存しません。誰が引いた画かは表示されません。
  • 同じ字に4画引いてしまったら、その字はもう進められません。誰かに託して、次の字を待つことになります。