← トップ
プロダクト2026年7月17日

ことば蒸留所

見知らぬ人どうしで文章を段階的に圧縮していくリレー。誰かが仕込んだ100字の原液を、次の訪問者が60字→36字→20字→12字(一滴)と、直前の段の文だけを見て煮詰めていく。原液は伏せられたまま蒸留が進み、一滴に到達した鍋だけが蒸留棚で全5層の地層として公開。各層が原液のどの字面を引き継いだかを解析し、生き残った言葉をハイライトします。

アプリを試す

別タブで開く ↗

ユーザーが投稿した外部アプリを埋め込み表示しています。表示されない場合は「別タブで開く」からご利用ください。

見知らぬ人どうしで文章を段階的に短くしていくリレーです。誰かが仕込んだ100字の原液を、次の人が60字に、その次が36字、20字と縮め、最後の人が12字の一滴にします。手渡されるのは直前の人が残した文だけで、二段目から先の人は元の原液を知りません。伝言ゲームが足して歪ませる遊びだとすれば、こちらは削って何が残るかを見る場所として作りました。

こんなときに使う

  • 自分が書いた文章の、どこが芯でどこが飾りなのかを他人の手で判定してもらいたいとき
  • 要約の練習をしたいが、教材ではなく他人の生の文章でやりたいとき
  • 誰にも見せていない出来事を、匿名のまま誰かに削ってもらいたいとき
  • 100字が12字になる過程で、どの言葉が生き残るのかを眺めたいとき

使い方

  1. 「蒸留する」タブで「蒸留台に立つ」を押すと、蒸留待ちの鍋が1つ無作為に割り当てられます。
  2. 前の人が残した文だけが表示されます。指定された字数以内に煮詰めて投稿します。
  3. 最終段(12字)を担当した場合だけ、その場で全5層が明かされます。原液を見られるのは最後の一人だけです。
  4. 「原液を仕込む」タブでは、60〜100字の文章を投稿して新しい鍋を立てられます。仕込んだ後は自分では手を出せません。
  5. 「蒸留棚」タブに、一滴まで届いた鍋が地層の形で並びます。

仕様と機能

名前字数上限
0原液100字(下限60字)
1一次蒸留60字
2二次蒸留36字
3三次蒸留20字
4一滴12字

蒸留棚では、各層が原液のどの字面をそのまま引き継いだかを解析して色を付けます。判定は辞書を使わず、その層の文を左から見ていき、原液のどこかに含まれる2文字以上の連続部分列を最長優先で拾う方式です。1文字一致を含めると「の」「は」だらけになるため、最短一致長は2文字にしています。生存率はその割合(空白を除いた字数ベース)で、各層の見出しに百分率で出ます。

投稿した文はサーバのデータベースに保存され、一滴まで到達した鍋は蒸留棚で誰でも読めます。端末内のlocalStorageには匿名の識別子だけを保存しており、これは「直前の段を蒸留した人に同じ鍋を回さない」ための目印です。引き当てた鍋は15分放置すると自動的に他の人へ開放されます。蒸留待ちの鍋は400個までで、それを超えると新しい原液は仕込めません。

作るときに決めたこと

原液を隠す、という一点にこのサービスは賭けています。原液を見せながら縮めてもらえば、単なる要約の集まりになります。直前の文だけを渡すと、二段目以降の人は前任者の解釈の上にさらに解釈を重ねることになり、削るという行為が伝言の性質を帯びてきます。ただし完全に隠しっぱなしだと後味が悪いので、最終段の人にだけ全5層を見せる形にしました。一番深くまで削った人が、種明かしを受け取る権利を持つという配置です。

段の字数は100・60・36・20・12にしました。おおよそ6割ずつ落ちていく数列です。等差にすると最初の一段が楽すぎて最後の一段が無理になり、半減にすると刻みが粗くて考える余地が減ります。6割は「一文まるごと捨てる」判断が毎回1回は要るくらいの厳しさで、実際に自分で何度も回して決めました。原液に60字の下限を置いたのは、短い原液だと削る余地が無く、一次蒸留がほぼ写経になってしまうためです。

生存語の解析に形態素解析や意味の比較を入れることも考えましたが、やめました。意味が残ったかどうかは読んだ人が決めるべきことで、機械が判定して数字にすると、その数字を上げるための蒸留が始まってしまいます。字面が一致したかどうかという、意味の話を一切しない指標に留めたのはそのためです。同じ人が同じ鍋を連続で蒸留しないようにする仕組みも入れていますが、これは端末内の識別子に頼った緩いもので、認証ではありません。

注意点

  • 仕込んだ原液と投稿した各層は取り消せません。編集・削除の機能はありません。
  • 一滴まで到達した鍋は全5層が公開されます。個人が特定される内容は書かないでください。
  • 蒸留棚には、書き出しの時点で用意した見本の鍋が並ぶことがあります。見本には「全層とも蒸留所が書いたもの」と明記しています。